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神谷 富裕; 酒井 卓郎; 平尾 敏雄; 及川 将一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 181(1-4), p.280 - 285, 2001/07
被引用回数:2 パーセンタイル:21.1(Instruments & Instrumentation)原研高崎の重イオンマイクロビーム・シングルイオンヒットシステムを用いて、Si PINダイオードの局所領域にMeVエネルギーの重イオンを繰り返し入射することにより過渡電流波高をすべて計測し、照射損傷に由来する波高の減衰を観察した。その減衰傾向を特徴づけるため、統計関数ワイブル分布関数を導入し、データ解析を行った。mレベルで照射面積を変化させた場合、明らかな減衰傾向の違いが見られ、実験データから照射損傷と電荷収集の平面方向の広がりに関する情報を引出し得ることが示唆された。これらの測定を再現するために単純なモデルによるモンテカルロシミュレーションも試みた。発表では、照射実験、データ解析及びシミュレーションについて述べ議論する。
鬼沢 邦雄; 飛田 徹; 鈴木 雅秀
JAERI-Research 97-081, 36 Pages, 1997/11
原子炉圧力容器用鋼材の延性脆性遷移温度域におけるへき開破壊開始時の破壊靱性値を精度良く求めるため、4種類の国産圧力容器用ASTM A533B-1鋼を使用して、予き裂付シャルピー型破壊靱性(PPCv)試験片の適用性を検討した。PCCv試験片と標準型1T-CT試験片から得られる破壊靱性値の間に認められた試験片寸法効果を補正するため、最弱リンク理論に基づく補正式をPCCvデータに適用した。しかしながら、鋼材により寸法効果は十分に補正しきれない場合があることがわかった。また、ASTMで提案されているマスターカーブ法を適用し、PCCv試験片の試験結果から破壊靱性遷移曲線の照射によるシフトを求めると、シャルピー41Jレベルの遷移温度シフトより大きいことが示された。さらに、試験片の破面観察により、へき開破壊前の延性き裂成長及び破面上のへき開破壊の起点について特徴付けを行った。
中曽根 祐司*; 辻 宏和; 大場 敏夫*; 田辺 龍彦*; 八木 晃一*; 中島 甫
Creep: Characterization,Damage and Life Assessments, p.551 - 555, 1992/00
高温ガス炉高温部構造用ハステロイXR系合金を供試材料として、1次冷却材を模擬したヘリウムガス中で、1123~1273Kの4温度水準において、クリープ中断試験を行い、クリープひずみが5%までの初期クリープ損傷過程における微小粒界ボイドの統計的特性を調べた。ボイド寸法は対数正規分布、Aパラメータ(クリープ損傷の認められる結晶粒界の存在割合)はワイブル分布にそれぞれ従っていた。最大ボイド寸法及びAパラメータとクリープ中断ひずみの関係から、ボロン添加によって粒界ボイドの発生と成長が抑制されていることを確認するとともに、鍛造材の方が管財よりも同一クリープひずみへの到達時間は長いもののクリープ損傷は逆に大きくなっている等の知見を得た。これは、鍛造材の方が管材よりも結晶粒の変形が生じにくいことに起因していると考えられた。
西山 裕孝; 荒井 長利
Int. Symp. on Carbon New Processing and New Applications; Extended Abstracts,Vol. l, p.202 - 205, 1990/11
HTTR黒鉛構造物の二軸引張応力下における破壊基準策定のため、IG-110、PGX黒鉛を用いて統計的に有意な数のデータを取得した。二軸引張試験は、薄肉円筒状試験片に主応力比が一定となるように内圧と軸荷重を加えることにより実試した。その結果以下のことが明らかとなった。(1)IG-110,PGX黒鉛の二軸引張破壊強度データは正規分布に従う。(2)両黒鉛とも引張-引張応力下の破壊基準としては修正最大ひずみエネルギー説が適切である。(3)黒鉛の粒径が小さくなるほど、修正最大ひずみエネルギー説に従うようになる。
菊地 賢司; 佐野川 好母; 大熊 嗣男*; 井川 博雅
Eng.Fract.Mech., 19(6), p.1013 - 1024, 1984/00
両端で球面座と球面接触する黒鉛短柱の破壊強度を調べた。このような構造は、VHTR炉心支持ポストにみられる。その結果、球面接触部の半径の組み合せ、黒鉛短柱の細長比、黒鉛短柱の傾き角が破壊強度に及ぼす効果が明らかにされた。また、体積効果や酸化による細長比の変化について議論している。
菊地 賢司; 大熊 嗣男*; 佐野川 好母; 井川 博雅
日本材料強度学会誌, 18(2-3), p.57 - 70, 1984/00
VHTR炉心の黒鉛支持ポストは、炭素、黒鉛、鋼製部材間の相対熱膨張差や水平地震力による相対変位を吸収するため、その両端が球面接触構造になっている。本報は、炉心支持ポストの圧縮強さに及ぼす細長比、傾き角、球面座半径の影響を実験的に調べ、破壊に及ぼす因子を検討したものである。
奥 達雄; 衛藤 基邦; 藤崎 勝夫; 佐々木 泰一
炭素, (89), p.48 - 54, 1977/00
ギルソナイト系等方性黒鉛(IM2-24)と石油系微粒等方性黒鉛(7477PT)の引張強さと曲げ強さの統計的性質およびIM2-24黒鉛については強度の統計的性質に及ぼす照射効果も調べた。その結果、引張強さと曲げ強さのデータはワイブル分布と正規分布によってよく近似できた。照射黒鉛のワイブル統計におけるワイブルモジュラスmと規格化因子は非照射黒鉛の値に比べて増加した。強度に及ぼす試料体積の効果はワイブル統計による予測ほど大きくなかった。引張強さに対する曲げ強さに対する比の実験値はワイブル統計にもとづく計算値より大きかった。しかし、ワイブルパラメータmとにおけるmの値のみを引張強さと曲げ強さで共通の値を用いる、指定ワイブル統計にもとづく結果は、7477PT黒鉛の場合実験値と比較的よく一致した。結論的には、最弱リンクモデルは黒鉛の破壊には厳密には適用できないと考えられる。